【RICOH・Canon・FUJIFILM】複合機のスキャン先フォルダ設定ガイド
この記事でわかること:複合機(コピー機)でスキャンしたデータをパソコンの共有フォルダに直接保存するための設定方法。Windows共有フォルダの作成手順と、RICOH・Canon・FUJIFILMの3大メーカー別にスキャン先フォルダの登録方法を解説します。
目次
1. スキャン先フォルダ設定が重要な理由
複合機でスキャンしたデータの保存先には、主に3つの選択肢があります。
| 保存先 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| USBメモリ | 設定不要 | 毎回差し替え、紛失リスク |
| メール送信 | 設定が簡単 | 添付サイズ制限、整理しにくい |
| 共有フォルダ(SMB) | 自動保存、即座にアクセス可 | 初回設定が必要 |
業務効率の観点から最もおすすめなのは共有フォルダ(SMB)への直接保存です。一度設定すれば、複合機のスキャンボタンを押すだけで指定のフォルダにPDFが保存されます。USBメモリの抜き差しやメールからの保存といった手間が完全になくなります。
2. 事前準備:Windowsの共有フォルダを作成
メーカーに関係なく、まずWindowsパソコン側で共有フォルダを作成する必要があります。以下の手順で設定してください。
Step 1:フォルダを作成する
- デスクトップまたはDドライブなど、わかりやすい場所に新しいフォルダを作成
- フォルダ名は半角英数字がおすすめ(例:
Scan) - 日本語フォルダ名は一部の複合機で文字化けする場合があるため避ける
Step 2:共有設定を有効にする
- 作成したフォルダを右クリック →「プロパティ」
- 「共有」タブ →「共有」ボタンをクリック
- 共有するユーザーを選択(「Everyone」を追加するのが最も簡単)
- アクセス許可レベルを「読み取り/書き込み」に設定
- 「共有」ボタンをクリックして完了
ポイント
共有が完了すると「\\パソコン名\Scan」のようなネットワークパスが表示されます。このパスを複合機の設定で使うので、メモしておいてください。
Step 3:パソコンのIPアドレスを確認する
複合機の設定にはIPアドレスが必要です。以下の手順で確認します。
- キーボードの
Windows + Rキーを同時に押す cmdと入力してEnteripconfigと入力してEnter- 「IPv4 アドレス」の値をメモ(例:192.168.1.100)
Step 4:ファイアウォールでSMBを許可する
Windowsファイアウォールがスキャンデータの受信をブロックしている場合があります。
- 「Windows Defender ファイアウォール」を開く
- 「Windows Defender ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可」をクリック
- 「ファイルとプリンターの共有」にチェックが入っていることを確認
- 入っていなければ「設定の変更」→ チェックを入れる → OK
3. RICOH(リコー)の設定方法
RICOHの複合機(imagio、MP、IM Cシリーズなど)は、Web Image Monitorまたは操作パネルからスキャン先フォルダを設定できます。ここではWeb Image Monitorを使った方法を説明します。
Web Image Monitorでの設定手順
- Web Image Monitorにアクセス:ブラウザのアドレスバーに複合機のIPアドレスを入力(例:http://192.168.1.50)
- ログイン:管理者アカウントでログイン(初期設定は ID: admin / パスワード: なし の場合が多い)
- アドレス帳を開く:「アドレス帳」メニューから「新規登録」
- フォルダ情報を入力:
- 登録名(宛先表に表示される名前):例「経理スキャン」
- プロトコル:「SMB」を選択
- パス:
\\192.168.1.100\Scan(パソコンのIP\共有フォルダ名) - ユーザー名:Windowsのログインユーザー名
- パスワード:Windowsのログインパスワード
- 接続テスト:「接続テスト」ボタンで接続を確認
- 保存:「OK」で設定を保存
RICOHでよくあるトラブル
- 「接続テスト失敗」→ パソコン名ではなくIPアドレスで指定してみる
- 「認証エラー」→ Windowsのユーザー名は「ドメイン\ユーザー名」形式で入力
- 「パスが見つからない」→ 共有フォルダ名が正しいか、共有設定が有効か確認
4. Canon(キヤノン)の設定方法
Canonの複合機(imageRUNNER ADVANCEシリーズなど)は、リモートUIまたは操作パネルからスキャン先を設定します。ここではリモートUIを使った方法を説明します。
リモートUIでの設定手順
- リモートUIにアクセス:ブラウザで複合機のIPアドレスにアクセス(例:http://192.168.1.51)
- ログイン:管理者モードでログイン
- アドレス帳を開く:「アドレス帳」→「宛先の登録」
- 新規宛先を登録:
- タイプ:「ファイル」を選択
- プロトコル:「Windows(SMB)」を選択
- ホスト名:パソコンのIPアドレス(例:192.168.1.100)
- フォルダへのパス:共有フォルダ名(例:Scan)
- ユーザー名:Windowsのログインユーザー名
- パスワード:Windowsのログインパスワード
- 接続確認:「接続確認」ボタンで通信テスト
- 登録:「OK」で保存
Canonでよくあるトラブル
- 「SMB送信に失敗しました」→ SMB 1.0がWindows側で無効になっていないか確認
- 「宛先に接続できません」→ ファイアウォールの設定を確認
- Canonの一部機種ではSMBv2以降が必要 → ファームウェアを最新に更新
5. FUJIFILM(富士フイルム)の設定方法
FUJIFILM(旧富士ゼロックス)の複合機(DocuCentre、Apeosシリーズなど)は、CentreWare Internet ServicesまたはApeos管理画面から設定します。
Web管理画面での設定手順
- 管理画面にアクセス:ブラウザで複合機のIPアドレスにアクセス
- ログイン:管理者としてログイン(初期パスワードは機種により異なる)
- アドレス帳を開く:「アドレス帳」メニューを選択
- SMB宛先を登録:
- 転送プロトコル:「SMB」を選択
- サーバー名/IPアドレス:パソコンのIPアドレス
- 共有名:共有フォルダ名(例:Scan)
- 保存先パス:フォルダ内のサブフォルダがあれば指定(なければ空欄)
- ユーザー名:Windowsのログインユーザー名
- パスワード:Windowsのログインパスワード
- 接続テスト:設定画面内の接続テストで確認
- 保存:設定を保存
FUJIFILMでよくあるトラブル
- 「認証に失敗しました」→ ユーザー名を「コンピュータ名\ユーザー名」の形式で入力
- 旧DocuCentreシリーズ → CentreWare Internet Servicesからの設定が必要
- ApeosシリーズはWeb管理画面のUIが大幅に変更されているため、メニュー名が異なる場合あり
6. 設定完了チェックリスト
設定が完了したら、以下のチェックリストで動作確認をしてください。
- ☐ 複合機の操作パネルで、登録した宛先が表示される
- ☐ テストスキャンを実行して、パソコンの共有フォルダにPDFが保存される
- ☐ 保存されたPDFファイルを開いて、内容が正しく読める
- ☐ 複数枚スキャンした場合も正しく保存される
- ☐ パソコンを再起動した後もスキャンが正常にできる
7. よくあるトラブルと解決方法
突然スキャンできなくなった
これまで正常にスキャンできていたのに、急にエラーが出るようになった場合、以下の原因が考えられます。
- パソコンのIPアドレスが変わった:DHCPでIPアドレスが自動割り当ての場合、再起動やネットワーク変更でIPが変わることがあります。対策として、パソコンのIPアドレスを固定に設定するのがおすすめです
- パソコンの電源が入っていない:共有フォルダはパソコンが起動していないとアクセスできません。スキャンするときはパソコンの電源が入っていることを確認してください
- Windowsアップデート後:Windows Updateで共有設定やファイアウォール設定がリセットされることがあります。アップデート後は共有フォルダの設定を再確認してください
- Windowsのパスワードを変更した:パスワードを変更した場合、複合機のアドレス帳に登録しているパスワードも更新が必要です
SMB 1.0 に関する問題
Windows 10/11では、セキュリティ上の理由からSMB 1.0がデフォルトで無効になっています。古い複合機の場合、SMB 1.0しか対応していないことがあります。
SMB 1.0を有効にする方法:
- 「コントロールパネル」→「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効化または無効化」
- 「SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート」にチェックを入れる
- 再起動する
セキュリティに関する注意
SMB 1.0はセキュリティ上のリスクがあるため、可能であれば複合機のファームウェアを更新してSMB 2.0以降に対応させることを推奨します。
IPアドレスの固定設定
DHCPによるIPアドレス変更でスキャンが失敗する問題を防ぐには、パソコンのIPアドレスを固定することが有効です。
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサネット」(または「Wi-Fi」)
- 接続中のネットワーク → 「IP設定」の「編集」
- 「手動」に切り替え
- IPv4をオン → 現在のIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイを入力
- 「保存」
8. スキャン後のファイル整理を自動化する
共有フォルダへのスキャン設定が完了すると、複合機のスキャンボタンを押すだけでPDFがパソコンに保存されるようになります。ただし、保存されるファイル名は「scan001.pdf」「scan002.pdf」のような連番になるため、後からファイルを探すのが大変です。
この問題を解決するのがスキャンゴです。スキャンゴは、スキャン先フォルダを監視して、保存されたPDFの内容をAIが自動で読み取り、わかりやすいファイル名に自動変換します。
スキャンゴの仕組み
電子帳簿保存法で求められるファイル名の検索要件(取引年月日・取引先・金額)も自動で満たせるため、法令対応の手間も大幅に削減できます。
まとめ
複合機のスキャン先フォルダ設定は、以下の流れで行います。
- Windowsで共有フォルダを作成(フォルダ作成 → 共有設定 → ファイアウォール許可)
- パソコンのIPアドレスを確認(できれば固定IPに設定)
- 複合機のWeb管理画面でSMB宛先を登録(IPアドレス + 共有フォルダ名 + Windowsの認証情報)
- テストスキャンで動作確認
一度設定してしまえば、あとはスキャンボタンを押すだけでPDFがパソコンに保存されます。さらにスキャンゴを組み合わせれば、ファイル名の整理まで完全に自動化できます。