電子帳簿保存法「スキャナ保存」の要件を全部やさしく解説【2026年版・チェックリスト付き】
この記事でわかること:紙の請求書や領収書をスキャンして電子保存する「スキャナ保存」に必要な要件を、入力期間・画質・タイムスタンプ・検索機能の4つに整理して解説します。2024年の改正で緩和されたポイントと、そのまま使える対応チェックリストもご用意しました。
そもそも「スキャナ保存」とは?
電子帳簿保存法(電帳法)には、大きく分けて「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データ保存」の3つの区分があります。このうちスキャナ保存は、紙で受け取った・作成した国税関係書類を、スキャナや複合機、スマホのカメラで読み取って電子データとして保存する制度です。
対象になるのは、たとえば次のような書類です。
スキャナ保存の対象になる主な書類
- 重要書類:契約書・領収書・請求書・納品書 など(資金や物の流れに直結する書類)
- 一般書類:見積書・注文書・検収書 など(重要度が比較的低い書類)
要件をすべて満たしてスキャナ保存すれば、原則として紙の原本は廃棄できます。書類の山を減らせるのが最大のメリットです。ただし「要件を満たしていること」が大前提。ここでつまずくと、あとから原本を捨てられなくなってしまいます。
※本記事は制度の全体像をわかりやすく整理したものです。具体的な適用可否や自社の運用判断については、顧問税理士や所轄の税務署にご確認ください。最新の情報は国税庁の電子帳簿保存法関係ページもあわせてご覧ください。
2024年の改正で要件はかなり緩くなった
「スキャナ保存は要件が細かくて大変」というイメージがあるかもしれませんが、近年の改正でハードルは大きく下がっています。特に押さえておきたいのは次の点です。
- 適正事務処理要件が廃止(2022年1月〜)― 「相互けん制」「定期検査」「再発防止」といった社内体制の整備が不要に。定期検査のために原本を残す必要もなくなりました。
- 解像度・階調・大きさ情報の保存が不要に(2024年1月〜)― データ自体にこれらの情報を記録して保存する要件がなくなりました。
- 入力者等情報の確認要件が廃止(2024年1月〜)― 誰がスキャンしたかを確認できるようにする要件がなくなりました。
- 帳簿との相互関連性の確保は「重要書類」に限定(2024年1月〜)― 見積書などの一般書類は、帳簿とのひも付けが不要になりました。
つまり、現在残っている要件はかなりシンプルです。次の章で、いま満たすべきものだけを4つに整理します。
いま満たすべきスキャナ保存の要件【4カテゴリ】
① 入力期間の制限(いつまでにスキャンするか)
書類を受け取ってから、決められた期間内にスキャン(データ化)する必要があります。運用に合わせて次のどちらかを選びます。
| 速やかに | おおむね7営業日以内にスキャン |
| 業務サイクル後、速やかに | 最長でおおむね1か月の業務サイクル+おおむね7営業日以内にスキャン(社内規程の整備が前提) |
ポイントは「受け取ったらためこまず、こまめにスキャンする運用にしておく」こと。複合機のスキャン先フォルダを決めておき、届いたらその日のうちにスキャンする習慣にしておくと安心です。
② 一定水準以上の画質(解像度・カラー)
読み取ったデータは、あとから見て内容がはっきりわかる画質である必要があります。
- 解像度:200dpi相当以上
- カラー:赤・緑・青それぞれ256階調(約1,677万色)以上(重要書類の場合)
※見積書などの一般書類は、グレースケール(白黒)での保存も認められています。
最近の複合機やスキャナは、初期設定のままでもこの基準を満たしていることがほとんどです。念のため、スキャン設定が「200dpi以上・カラー」になっているか一度だけ確認しておきましょう。
③ タイムスタンプ、または訂正・削除の履歴が残ること
「あとからこっそり書き換えていないこと」を担保する要件です。次のいずれかを満たします。
- 入力期間内にタイムスタンプを付与する、または
- 訂正・削除の履歴が残る(またはそもそも訂正・削除ができない)システムで、入力期間内に保存したことが確認できるようにする
後者を満たすクラウドサービスや文書管理システムを使えば、タイムスタンプの付与自体は省略できます。この要件は、保存する仕組み(ストレージやシステム)側で対応する部分だと覚えておいてください。
④ 検索機能の確保(← 最もつまずきやすい)
保存したデータを、あとから条件で探し出せるようにしておく要件です。実務でいちばん手間がかかるのがここです。
検索要件(原則)
- 日付・金額・取引先の3項目で検索できる
- 日付・金額は範囲を指定して検索できる
- 2つ以上の項目を組み合わせて検索できる
※税務職員からのデータのダウンロードの求めに応じられる場合は、②③は不要(①の3項目検索だけでOK)になります。
この検索要件、実はファイル名に「日付・金額・取引先」を入れておくだけで、①の3項目検索を満たせます。Windowsのエクスプローラーの検索機能でそのまま探せるからです。索引簿や専用システムを用意しなくても対応できる、いちばん手軽なやり方です。
検索要件を満たすファイル名の例
20260726_山田商事_55000_請求書.pdf
20260720_佐藤工業_132000_納品書.pdf
→ 「山田商事」「55000」「202607」などで検索すれば、該当ファイルがすぐ見つかります。
検索要件を「ファイル名だけで満たす」考え方は、電子帳簿保存法のファイル名の検索要件をやさしく解説した記事で詳しく紹介しています。
対応チェックリスト
ここまでの内容を、そのまま確認に使えるチェックリストにまとめました。
- ✓書類を受け取ったら、決められた期間内にスキャンする運用になっている
- ✓スキャン設定が「200dpi以上・カラー」になっている
- ✓タイムスタンプ、または訂正・削除の履歴が残る仕組みで保存している
- ✓日付・金額・取引先で検索できる(ファイル名に含めるのが手軽)
- ✓PC・ディスプレイ・プリンタなど、データを見られる環境とシステムの説明書がそろっている
スキャンリーは「検索要件」の手間をなくします
4つの要件のうち、①入力期間・②画質・③タイムスタンプは、運用ルールや使うシステム側で対応する部分です。一方で、④検索要件は1件ずつファイル名を付ける手作業が発生し、件数が増えるほど大きな負担になります。
スキャンリーは、この検索要件の部分を自動化するツールです。複合機のスキャン先フォルダを監視し、新しいPDFが追加されると、AIが中身を読み取って「日付_取引先_金額_書類名」の形式でファイル名を自動で付けます。
スキャンリーがやってくれること
複合機でスキャンすると、指定フォルダにPDFが保存される
スキャンリーが新しいPDFを自動検知し、AIが日付・取引先・金額を読み取る
検索要件を満たすファイル名に自動リネーム(約10秒)
索引簿の手入力も、高額な専用システムの導入も不要。複合機でスキャンするだけで、検索要件を満たすファイル名が自動的に付きます。命名規則は自社の運用に合わせて自由にカスタマイズできます。
※スキャンリーが担うのは検索要件(ファイル名の自動付与)の部分です。タイムスタンプや訂正・削除履歴の確保などは、保存先のシステムや運用ルールで別途ご対応ください。「いちばん面倒な部分をなくす」ツールとお考えください。
まとめ
電子帳簿保存法のスキャナ保存は、近年の改正で要件が大きく緩和され、いま満たすべきものは①入力期間 ②画質 ③タイムスタンプ等 ④検索機能の4つに整理できます。
このうち、日々の手作業がいちばん増えるのが④の検索要件です。ファイル名に日付・金額・取引先を入れておけば要件を満たせますが、その入力を1件ずつ手でやるのは大変。そこを丸ごと自動化するのがスキャンリーです。
まずは20回まで無料でお試しいただけます。自社のスキャン書類がどんなファイル名になるか、実際に試してみてください。